サンワサプライ PDA-STN85BKで快適作業環境を実現する選び方


目次

比較概要

サンワサプライ CR-LAC1405BKとエレコム DPA-SL07WHは、いずれもVESAマウント対応のモニターアームで、一般的なPCモニターを「支柱+アーム」で自在に配置できるよう設計されたモデルです。どちらもガススプリング式で高さや角度調整がスムーズに行え、デスクワークを効率化したいユーザーから支持されています。一方、今回の主役となるサンワサプライ PDA-STN85BKは、17.3インチまでのモバイルモニターやタブレット専用のクランプアームホルダーで、VESAネジではなくホルダーで機器を挟み込むタイプです。そのため、「据え置きの大画面モニターを支える」CR-LAC1405BKやDPA-SL07WHとは用途が少し異なり、ノートPC横にモバイルモニターを縦配置したり、タブレットをサブディスプレイ化したりといった使い方に最適化されています。

CR-LAC1405BKは13〜32インチ・2〜8kgまで対応するガススプリング式シングルアームで、一般的なフルHD〜WQHDクラスのモニターをしっかり支えられる堅牢さが魅力です。可動域も上下・前後・回転と十分で、クランプ/グロメットの両対応により、幅広いデスク環境で採用しやすい構成になっています。一方のDPA-SL07WHは17〜49インチ・約2〜20kg対応という高耐荷重仕様で、ウルトラワイドや大型4Kモニターなど重量級ディスプレイを想定した設計です。支柱タイプの構造と長いアームにより、奥行きのあるデスクやデュアル環境の一画面としても扱いやすく、大型モニター主体のワークスペース向けといえます。

PDA-STN85BKは、これら2機種と比べると耐荷重1kg・〜17.3インチまでと対象はコンパクトですが、クランプで天板(厚さ約10〜38mm)に固定し、3関節アームで前後・上下・回転を柔軟に調整できる点が強みです。ホルダー部は幅185〜270mm・厚さ16mm以下の機器に対応し、モバイルモニターやタブレットを縦横どちらの向きでも使える構造になっています。ノートPCの横に縦長でタブレットを立ててチャットを常時表示したり、資料を片側に固定表示したりと、「サブ画面を体の動きに合わせてベストポジションに持ってくる」用途で真価を発揮します。

特にデスクワークの快適性を高めたい人にとっては、アームの可動範囲だけでなく、モニターの重量とサイズとの相性、クランプの対応天板厚み、ケーブルマネジメントのしやすさが重要な判断材料になります。PDA-STN85BKは、ケーブルホルダー付きクランプでモバイルモニター周りの配線をすっきりまとめつつ、机上の占有面積を抑えられる構造がポイントです。CR-LAC1405BKは32インチクラスまでのメインモニターを柔軟に動かしたい人向け、DPA-SL07WHは49インチクラスの大型モニターを高い位置で安定運用したい人向けという位置づけになります。3機種を並べて比較することで、「モバイルモニター主体の軽快なサブ画面運用を重視するのか」「据え置き大画面の主役モニターを支えたいのか」といった自分の用途が整理され、自然と最適なモデルを絞り込みやすくなります。

比較表

機種名 サンワサプライ PDA-STN85BK サンワサプライ CR-LAC1405BK エレコム DPA-SL07WH
画像
製品カテゴリ モバイルモニター・タブレット用クランプアームホルダー ガススプリング式シングルモニターアーム 高耐荷重ガススプリング式シングルモニターアーム(支柱タイプ)
メーカー サンワサプライ サンワサプライ エレコム
カラー ブラック ブラック ホワイト
製品型番 PDA-STN85BK CR-LAC1405BK DPA-SL07WH
対応VESA規格 非対応(ホルダー固定方式) 75×75mm、100×100mm 75×75mm、100×100mm
耐荷重 1kg 2〜8kg 約2〜20kg
対応画面サイズ 〜17.3インチ相当(幅185〜270mm・厚さ16mm以下) 13〜32インチ 17〜49インチ
取り付け方式 クランプ式(上部ボルトで工具不要固定) クランプ式/グロメット式 クランプ式/グロメット式
対応天板厚み 約10〜38mm クランプ:約10〜50mm/グロメット:約10〜80mm 約12〜50mm(クランプ・グロメット共通)
ケーブルマネジメント ケーブルホルダー付き アーム部ケーブルホルダー付き アーム一体型ケーブルホルダー付き
材質 クランプ・アーム/スチール・アルミ、ホルダー/ABS樹脂・シリコーンゴム クランプ/スチール・ABS樹脂、アーム/スチール・アルミ・ABS樹脂、ブラケット/スチール アルミ、スチール、プラスチック
製品重量 約650g 約1.9kg 約3.69kg
付属品 ホルダー、アーム、六角レンチ(3mm/4mm)、取扱説明書 アーム(上・下)、ベース、ブラケット、クランプ、ケーブルホルダー、ノブボルト、蝶ナット、シート、各種ボルト、六角レンチ(3種)、ディスプレイ取付用ボルトセット、組立説明書 ポール、ベース、アーム(上/下)、VESAマウント、クランプ・グロメット用プレート、ケーブルホルダー(A/B)、スペーサー、各種ボルト・ワッシャー、六角レンチ(大小)、取扱説明書

比較詳細

サンワサプライ PDA-STN85BKを実際に使ってみると、まず感じるのは「モバイルモニター専用ならではの取り回しやすさ」と「見た目以上の安定感」の両立です。ホルダーでしっかり挟み込む構造のため、17.3インチクラスのモバイルモニターを縦置きにしても不安がなく、上下・前後の位置決めをしてからタイピングを始めても、手元の振動でじわじわ位置がズレてくるようなことがありません。クランプは天板厚10〜38mmに対応しており、一般的な木製デスクやスチールデスクであれば問題なく固定可能でした。設置時に工具がいらない上部ボルト式なのも実際便利で、狭いワークスペースで机の裏側に潜り込む必要がないのは、地味ながらかなりのストレス軽減ポイントです。

CR-LAC1405BKは、同じサンワサプライ製でも方向性が少し違います。こちらはいわゆる「王道のガススプリング式モニターアーム」で、13〜32インチ・2〜8kgのディスプレイをVESAマウントで固定するタイプです。重量級モニターでもしっかり保持してくれる安心感があり、ベース部の剛性感も高め。実際に27インチモニターを載せてみると、PDA-STN85BKのような軽快さというより「据え置きの安心感」が強く、位置を決めたあとはほとんど触らないような運用に向いています。動き自体はスムーズですが、ガス圧とモニター重量のバランスで若干のコツがいる場面もあり、「ちょっとだけ上に」「数センチ奥に」といった微調整では、アームの反発を意識しながら力を入れる瞬間がありました。

エレコム DPA-SL07WHは、17〜49インチ・約2〜20kg対応というスペック通り、ウルトラワイドや大型4Kモニターを支えるための設計です。支柱タイプの構造で高さをざっくり決め、その上でガススプリングアームで前後や傾きを追い込むスタイルなので、大型モニターを「視線に対してほんの少しだけ下向きに」「キーボードからの距離を数センチだけ離す」といったセッティングがしやすくなっています。ただ、ここまでのサイズになると、机の剛性や設置位置との相性もシビアになってくるので、軽量なモバイルモニター専用のPDA-STN85BKとは、そもそも守備範囲が違うと割り切って選ぶのが良さそうです。

PDA-STN85BKのアームは3関節構造で、関節部分の剛性が高く、動かすと「カチッ」と節度を感じる手応えがあります。これは実際の作業でかなり効いてきて、ノートPCの横にモバイルモニターを縦置きしておき、資料やチャットを表示させた状態でキーボードを叩いていても、モニター側が揺れにくく、視線の移動がスムーズです。自分の環境では、オンライン会議の参加者一覧やチャットをPDA-STN85BK側のモバイルモニターに固定して、メイン画面では資料編集に集中する、という運用がかなりしっくりきました。位置を少しだけ変えたいときも、ホルダーをつまんで軽く押すだけで、狙った角度に「スッ」と決まってくれる感覚があります。

CR-LAC1405BKは、可動範囲そのものは広く、上下・前後・左右・回転と一通りそろっていますが、モニター重量が増えるとガス圧とのバランスを調整する必要が出てきます。調整が決まれば快適ですが、初回セットアップ時は「ちょっと上げたら戻り過ぎる」「反発が強くて狙った位置で止めづらい」といった場面もありました。とはいえ、いったん自分の体格とモニター重量に合うポイントを見つけてしまえば、あとは据え置きで安定して使えるので、「頻繁に動かす」というより「最適位置を決めて固定しておく」という使い方が向いている印象です。

DPA-SL07WHは、白い支柱とアームがワークスペースを明るく見せてくれるのが特徴で、机や壁が白ベースの環境では特に馴染みやすく感じました。大型モニターを載せると存在感はそれなりに出ますが、支柱に沿ってケーブルをまとめられる一体型ケーブルホルダーのおかげで、見た目の「ごちゃつき」は想像よりも抑えられます。可動範囲はパン左右90度、チルト上50度/下20度、ローテーション左右180度と広く、縦横回転にも対応するので、縦長モニターとして使いたいクリエイティブ用途でも十分です。ただし、20kgクラスまで対応するだけあって、初回のガス圧調整はややシビアで、軽めのモニターを載せるときは特に調整幅を追い込む必要がありました。

ケーブルマネジメントの観点で見ると、PDA-STN85BKはモバイルモニターの電源ケーブルと映像ケーブル(USB-CやHDMI)をアームに沿わせてまとめやすく、机の上にケーブルが垂れ下がりにくい構造です。実際にUSB-C一本で給電と映像出力を兼ねるモバイルモニターを接続したところ、ケーブルホルダーでアームに沿わせるだけで見た目がかなりスッキリしました。CR-LAC1405BKもケーブルホルダー付きなので、電源ケーブルと映像ケーブルをまとめて背面へ逃がせますが、27インチモニター+周辺機器の配線が増えてくると、それなりに束感は出てきます。DPA-SL07WHは支柱の高さがあるぶん、ケーブルを縦方向に整理しやすく、足元まで自然に落とし込めるため、大型モニター環境での配線整理に強みがあります。

実際の使い勝手で大きく差を感じたのは、「目線と姿勢をどこまで自然に合わせられるか」です。PDA-STN85BKはモバイルモニターをノートPCの少し上側に縦配置することで、メイン画面から視線を大きく動かさずにサブ情報を確認できるレイアウトが作れます。自分の感覚では、横並びのデュアルモニターよりも首の左右移動が減り、縦方向に軽く視線を動かすだけで済むので、首や肩の負担が少し軽くなった印象でした。CR-LAC1405BKは、メインモニター用として真正面に一枚だけ置く構成にすると、椅子の高さ調整とあわせてかなり快適な「正対ポジション」が作れます。DPA-SL07WHは、49インチクラスの大型モニターをやや離れた位置に構え、視野全体でコンテンツを受け止めたいときに向いており、動画編集や大きなタイムラインを扱う作業で特に威力を発揮しました。

質感の違いも日々の使用感に直結します。PDA-STN85BKはコンパクトなアームながら、金属部と樹脂部のバランスがよく、手で触れたときに「軽いけれど頼りない感じはしない」仕上がりです。CR-LAC1405BKは金属部がしっかりしており、アーム自体の重量も約1.9kgあるため、設置時に手に持った瞬間から「これはそれなりに支えてくれそうだな」という印象を受けました。DPA-SL07WHは重量約3.69kgとずっしりしており、支柱部分を握ると剛性感の高さがよく分かります。そのぶん組み立て時や位置決めの際に体力は使いますが、一度決めてしまえば大画面でも安心して任せられる引き換えだと感じました。

総合的に体感したのは、PDA-STN85BKは「ノートPC+モバイルモニター」というリモートワーク的な環境で、サブ画面の位置を細かくいじりながら作業したい人に非常に相性が良いということです。CR-LAC1405BKは「メインモニターを正面に据えた標準的なデスクトップ環境」、DPA-SL07WHは「大型ワイドモニターを中心に据えたクリエイティブ寄りの環境」といった棲み分けがはっきりしており、どれが優れているかというより、自分のワークスタイルにどれが一番噛み合うかが重要になります。スペックだけでは見えない「安心感」「疲労感の軽減」「作業への没入感」といった要素は、実際に日常で使い続けてこそ分かる部分であり、その意味でPDA-STN85BKはモバイルモニターを本気で活かしたい人にとって、かなり“気持ちよく付き合える”アームスタンドだと感じました。

まとめ

まず結論から。今回の3機種の中で、もっとも満足度が高かったのはPDA-STN85BKでした。可動部の動きが素直で、上下・前後の追従性が自然。作業中に画面の位置を数センチだけ寄せたい――そんな細かな動きに対してもストレスがなく、保持力の立ち上がりが穏やかなので微調整が決まりやすいです。ホルダー部分は幅185〜270mmのモバイルモニターやタブレットをしっかり挟み込み、縦横回転にも対応するため、ノートPCの横に縦配置してチャットやブラウザを常時表示する、といった「サブ画面の理想的な置き場所」をつくりやすいのが強みでした。ケーブルルーティングも迷いがなく、クランプ部のケーブルホルダーを使えばデスク上の見た目も整います。設置は天板上から固定できるクランプ方式のおかげで手順通りに進めれば迷うポイントが少なく、実用の中で「気を遣う場面」がほとんどないのが好印象でした。

次点はCR-LAC1405BKです。13〜32インチ対応・耐荷重2〜8kgというスペックからも分かる通り、一般的なPCモニターをしっかり支えることに軸足を置いたモデルで、土台の安定感が高く、設置後の安心感は抜群です。クランプ/グロメット両対応でデスクの条件を選びにくく、ケーブルホルダーも備えているため、ワークスペースを整えたいニーズにまっすぐ応えてくれます。一方で、ガススプリングの調整とモニター重量とのバランスを掴むまでは、位置決めの瞬間に少し力を入れる必要がある場面があり、「可動を楽しむ」よりも「最適位置を見つけて固定してしまう」運用のほうがしっくりきました。固定して使う時間が長い環境では相性が良く、「据え置きの安心感」を重視する人に向きます。

三番手はエレコム DPA-SL07WHです。17〜49インチ・約2〜20kg対応の高耐荷重仕様で、ウルトラワイドモニターや大型4Kパネルを支える前提で設計されているため、ワークスペースが明るくなる白色筐体も含めて「大型モニターを主役にしたデスク」を作りたい人にハマります。支柱タイプの構造により高さのベースを決めやすく、そのうえでアームを動かして細かい位置調整を行うスタイルは、動画編集やマルチウィンドウ作業などでとても快適でした。ただ、保持力と可動の手応えのバランスを自分の好みに合わせるまでには少し慣れが必要で、特に軽めのモニターを載せる場合はガス圧の微調整に気を遣う印象です。軽量ディスプレイで「とにかく軽快に動かしたい」という用途よりも、大型モニターを腰を据えて使う場面で本領を発揮します。

総評として、毎日の編集や資料作成でモバイルモニターの位置調整を頻繁に行うなら、PDA-STN85BKがベストチョイスです。ノートPCとモバイルモニターを組み合わせた環境を想定している人にとって、「机の上を広く使えるクランプ式」「ホルダー式でVESA不要」という仕様は、扱い始めてからのストレスの少なさにつながります。メインモニターを正面に構えたデスクトップ環境で、配線や設置の落ち着きを重視しながら32インチクラスまでのディスプレイを安定して支えたいならCR-LAC1405BK、デスクトーンを明るく整えつつ49インチクラスのワイドモニターを高い自由度で扱いたいならDPA-SL07WHが有力候補になるでしょう。今回の使用環境では、モバイルモニターを「自分の身体の延長」のように自然な位置へ持ってこられる操作感と、位置決め後に後戻りが少ない微調整のしやすさが決め手となり、PDA-STN85BKが最も気持ちよく使える選択肢になりました。

引用

https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=PDA-STN85BK

https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=CR-LAC1405BK

https://www.elecom.co.jp/products/DPA-SL07WH.html

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