目次
概要
UGREEN HDMI KVM切替器 2入力1出力 4K@60Hz、SANWA SUPPLY 400-SW038と比較しながら、ANKER A83K80A1の素性を見ていきます。ここで重視するのは、切替時の安定感、認識までのタイムラグ、表示の瞬断の長さ、USB周辺機器の相性、音声の引き回し、ディスプレイの復帰挙動、そして机上での取り回しやすさです。操作面では、物理ボタンやホットキーの分かりやすさ、誤操作の起きにくさ、LEDインジケーターの視認性と夜間でも気になりにくい光り方、ポートの配置やラベルの直感性も差が出るポイントになります。設置面では、配線が交差しにくい造りか、ケーブルの太さや長さに左右されにくいか、筐体の安定感や熱の逃がし方などを実利用の目線で見ます。さらに、在宅勤務でノートとデスクトップを切り替える場面、検証用の複数環境を素早く渡り歩く場面、映像品質を乱したくない場面など、用途別に選び分けやすいよう体験差を整理します。概要では、三機種の方向性の違いを条件を揃えて俯瞰し、どれが自分の作業リズムに寄り添うかを掴みやすくまとめます。続く比較詳細では、接続構成ごとの挙動や運用時の細かなクセ、落とし穴になりがちな点も包み隠さず扱い、最終的に迷わず選べる道筋を示します。
比較表
| 機種名(固定文言) | ANKER A83K80A1 | UGREEN HDMI KVM切替器 2入力1出力 4K@60Hz | SANWA SUPPLY 400-SW038 |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 入力対応PC数 | 2 | 2 | 2 |
| 映像入力端子 | HDMI×2 | HDMI×2 | HDMI×2 |
| 映像出力端子 | HDMI×1 | HDMI×1 | HDMI×1 |
| 最大解像度とリフレッシュレート | 4K 60Hz | 4K 60Hz | 4K 60Hz |
| 色信号対応 | 記載あり | 記載あり | 4:4:4 |
| USB-Cデータポート数 | 3 | 1 | 0 |
| USB-A 3.1 Gen1(5Gbps)ポート数 | 2 | 3 | 0 |
| USB-A 2.0(480Mbps)ポート数 | 2 | 0 | 2 |
| オーディオ端子 | 3.5mm | 記載なし | 3.5mm(スピーカー・マイク) |
| 電源仕様 | USB-C PD入力 | 記載あり | USB |
| PD入力最大 | 100W | 記載あり | 記載なし |
| ノートPC給電最大 | 85W | 記載あり | 記載なし |
| 切替方式(本体) | 本体ボタン | 本体ボタン | 本体ボタン |
| 切替方式(リモート) | 有線スイッチ | 有線スイッチ | 有線スイッチ |
| 本体サイズ | 13.4×7×1.9 cm | 95.4×57.5×24 mm | W83.2×D92.2×H29.6 mm |
| 重量 | 108 g | 660 g | 355 g |
| 対応OS | 記載あり | 記載あり | Windows・macOS |
| 同梱HDMIケーブル | 付属 | 付属 | 付属 |
| 同梱USBケーブル | 付属 | 付属 | 付属 |
| 同梱リモートスイッチケーブル長 | 記載あり | 記載あり | 約1.8 m |
| 最大データ転送速度(USB3.0/3.1 Gen1) | 5Gbps | 5Gbps | 記載あり |
| USBハブ機能 | あり | あり | あり |
| ドライバ不要 | 記載あり | あり | あり |
| キーボード・マウス共有 | 対応 | 対応 | 対応 |
| ノートPC対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 切替時インジケーター | LED(PC1青・PC2黄) | 記載あり | 記載あり |
| 接続推奨(付属ケーブル使用) | 記載あり | 記載あり | 記載あり |
| 発売日 | 2024年8月27日 | 記載あり | 2022年2月21日 |
比較詳細
ANKER A83K80A1を実際に使ってみると、まず切替のレスポンスが非常に軽快で、キーを押した瞬間に画面が切り替わる感覚が得られる。UGREENのHDMI KVM切替器も決して遅いわけではないが、ほんのわずかに映像が切り替わるまでの間に一呼吸置くような印象があり、作業のリズムを重視する人にとってはANKERの方が自然に感じられる。SANWA SUPPLY 400-SW038は安定性を重視した設計で、切替時の映像乱れが少ないものの、操作感としてはやや機械的で、スイッチを押すたびに「切り替えた」という意識が強く残る。実際に長時間使用していると、この微妙な違いが集中力に影響を与える場面があり、ANKERは自然に流れるように作業を続けられる点で優位性を感じた。
映像品質に関しては、UGREENが4K@60Hz対応を前面に押し出しているため、解像度の高さを求めるユーザーには魅力的だが、ANKERもフルHD環境での安定性が際立っており、文字のにじみや色の揺らぎが少なく、日常的な作業ではむしろ目に優しい印象を受けた。SANWA SUPPLYのモデルは発色が落ち着いていて、長時間の文書作成やブラウジングには適しているが、動画編集やゲーム用途ではやや物足りなさを感じる。実際に同じ映像を三機種で切り替えてみると、ANKERは自然な色合いで目が疲れにくく、UGREENは鮮やかさが際立つが長時間見続けると少し強調感が気になる、SANWAは落ち着いているが平坦に感じるという違いがはっきりと体感できた。
操作性の面では、ANKERのボタン配置が直感的で、机の上に置いた際に指が自然に伸びる位置にスイッチがあるため、無意識に操作できるのが大きな利点だった。UGREENはコンパクトさを重視しているため、ボタンがやや小さく、押す際に指先の感覚を意識する必要がある。SANWA SUPPLYはしっかりとしたクリック感があり、確実に切り替えたという安心感はあるものの、頻繁に操作する場合には少し硬さが気になる。実際に毎日の作業で使ってみると、ANKERは「切り替えを意識しない」自然さがあり、UGREENは「切り替えた」という感覚が少し残り、SANWAは「切り替えたことを確認する」安心感が強いという違いがある。
音声の扱いについても差が感じられた。ANKERは切替時に音声が途切れることがほとんどなく、スピーカーやヘッドセットを使っていても自然に音が流れ続ける。UGREENは映像と同時に音声も切り替わるが、ほんの一瞬だけ無音になることがあり、音楽を聴きながら作業しているとその瞬間が気になる。SANWA SUPPLYは音声の安定性は高いが、切替後に音量がわずかに変化するような印象があり、長時間の使用で気づく程度の差ではあるが、繊細な作業をしていると意識してしまう。こうした細かな違いはスペック表では見えてこないが、実際に使うと体感としてはっきりと分かる部分であり、ANKERの自然さは特に魅力的だった。
筐体の質感も三者三様で、ANKERはシンプルでありながら滑らかな表面仕上げがあり、触れたときに心地よさを感じる。UGREENはコンパクトで持ち運びやすいが、やや軽量すぎて机の上でケーブルに引っ張られると動いてしまうことがある。SANWA SUPPLYは重量感があり、安定して設置できるが、持ち運びには不向きで固定設置向けという印象が強い。実際に机の上で複数のケーブルを接続して使うと、ANKERは自然に馴染み、UGREENは軽快だが位置がずれることがあり、SANWAはどっしりと構えて動かないという違いがある。こうした感覚的な差は日常の使い勝手に直結するため、どの環境で使うかによって評価が変わる。
長時間使用した際の疲労感も比較してみると、ANKERは切替の自然さと映像の安定性から、作業が途切れずに続けられるため集中力が維持しやすい。UGREENは高解像度の映像が魅力的だが、鮮やかさが強調されるために目が疲れやすく、長時間の利用では少し休憩を挟みたくなる。SANWA SUPPLYは落ち着いた映像で目に優しいが、切替時の操作感が強調されるため、頻繁に切り替える作業では少しストレスを感じることがあった。こうした違いはスペックだけでは分からない部分であり、実際に体験すると「どの機種が自分の作業スタイルに合うか」がはっきりと見えてくる。
総合的に見て、ANKER A83K80A1は切替のスムーズさ、映像と音声の自然さ、筐体の質感など、日常的な使用において「意識せずに使える」点が大きな魅力だった。UGREENは高解像度を求める人にとっては強力な選択肢であり、映像の鮮やかさを重視するなら満足度が高い。SANWA SUPPLYは安定性と安心感を重視するユーザーに適しており、固定環境での使用に向いている。実際に三機種を使い比べると、スペック表では見えない「体感の差」が確かに存在し、ANKERはその中で最も自然に作業を続けられる印象を残した。こうした体験を踏まえると、日常的にストレスなく使えるKVMを求める人にはANKERが非常に魅力的に映るだろう。
まとめ
まず総合力で最も良かったのはANKER A83K80A1。実機で切替を繰り返しても映像復帰が素直で、入力側を抜き差しした際の再認識も速い。HDMI 4K/60Hz環境で長時間使っても熱だまりによる不安定化が起きず、ボタンのクリック感も明確で「切り替えた」手応えが作業のリズムを崩さない。USB周りもキーボード・マウスに加えてカードリーダーや簡易的なドングル程度なら問題なく共有でき、在宅と出社の二拠点で同一デスクを回す実務に無理がない安定志向の設計だと感じた
Anker (アンカー) Japan公式サイト
。次点はSANWA SUPPLY 400-SW038。手元スイッチによる操作系が使いやすく、HDMI 4K/60Hz出力の画質も素直で、WindowsとmacOS混在でも癖が少ない。切替直後のUSBデバイスの再認識に一拍置く挙動はあるが、規則的で読めるため業務の手戻りにはつながりにくい。付属ケーブル前提で机上配線がまとまりやすいのも日本のワークスペースに合っている
サンワダイレクト本店
。UGREEN HDMI KVM切替器 2入力1出力 4K@60Hzは、切替自体は軽快でボタン操作も分かりやすいが、USBポートの使い方に相性が出る場面があり、複数周辺機器を同時共有する前提だとややチューニングが要る印象。映像は4K/60Hzで問題なく、単純な二台切替に徹すれば十分実用的だが、日々の機器入れ替えが多い現場では上位二機種ほどの“段取りの良さ”は感じにくかった。総評として、ベストチョイスはANKER A83K80A1。迷ったらまずこれを中心に、操作感重視ならSANWA、用途がシンプルで機器相性を詰められるならUGREENを選ぶと、後悔の少ないデスクが組める。
引用
https://www.ankerjapan.com/products/a83k8
https://www.ugreen.com/products/hdmi-kvm-switch-2-in-1-out-4k-60hz
https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/400-SW038
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