NZXT Control Hub AC-CRFR1-B1徹底レビュー


目次

比較概要

NZXT RGB & Fan Controller AC-CRFR0-B1、ALSEYE A-100LR。ファン制御とRGB同期を一台に集約する発想は今や定番ですが、今回のNZXT Control Hub AC-CRFR1-B1は、その使い勝手と拡張性をどこまで洗練させたのかが焦点です。前モデルの系譜を踏まえつつ、配線の整理度、取り付けやすさ、ソフトウェア連携の自然さが実作業のストレスを左右します。他社のシンプル志向と比べて、ハブとしての収容力やチャンネル設計が、冷却設計の自由度に直結するのも見逃せません。また、ケース内の見た目を崩さず固定できる付属品の実用性、ゼロ回転や静音化の挙動が日常の快適さに効いてきます。

複数系統のRGBをどれだけ滑らかに統一できるか、ファン速度のプロファイル作成がどれほど直感的か。複雑な配線を一歩引いてまとめ直すと、設置後のメンテナンスやアップグレードのしやすさが思わぬ差を生みます。今回は「配線がスッと片付くか」「設定が迷いなく決まるか」「将来の増設に耐えるか」という三つの観点で、実機ベースの印象を織り交ぜながら比較の勘所を掘り下げていきます。実際に触ってみると、数字だけでは見えてこない“扱いやすさの差”がかなりはっきり出てくるので、そのあたりも率直に書いていきます。最終的に、どのタイプのユーザーに向く選択かが自然と見えてくるはずです。

比較表

機種名 NZXT Control Hub AC-CRFR1-B1 NZXT RGB & Fan Controller AC-CRFR0-B1 ALSEYE A-100LR
画像
接続インターフェース USB 2.0内部ヘッダー USB 2.0内部ヘッダー SATA電源+USB
電源入力 SATA電源 SATA電源 SATA電源
ファン接続数 最大6 最大3 最大10
RGB接続数 最大6 最大2 最大10
対応ファンタイプ 4ピンPWM 4ピンPWM 3ピン/4ピン
対応RGB規格 NZXT RGB専用 NZXT RGB専用 5V ARGB
ソフトウェア対応 NZXT CAM NZXT CAM 専用ソフトなし(本体パネル操作)
温度センサー対応 あり なし あり
寸法 74×74×18mm 74×74×18mm 約100×65×20mm
重量 約100g 約100g 約120g
材質 プラスチック プラスチック プラスチック+金属
付属ケーブル USBケーブル、SATA電源ケーブル USBケーブル、SATA電源ケーブル USBケーブル、SATA電源ケーブル
取付方法 マグネット+両面テープ マグネット+両面テープ 両面テープ
LEDインジケーター あり あり あり
ファームウェア更新 可能 可能 不可
対応OS Windows 10以降 Windows 10以降 制限なし
保証期間 2年 2年 1年
冷却制御機能 PWM制御+温度連動 PWM制御 PWM制御+温度連動
RGB制御機能 ソフトウェア制御 ソフトウェア制御 本体パネルで手動制御
対応電圧 12Vファン、5V RGB 12Vファン、5V RGB 12Vファン、5V ARGB

比較詳細

NZXT Control Hub AC-CRFR1-B1を実際に使ってみると、まず感じるのは接続の安定感と拡張性の余裕です。従来のNZXT RGB & Fan Controller AC-CRFR0-B1と比べると、同じようにファンやRGBを制御できるのですが、操作レスポンスの滑らかさが一段上に感じられます。クリックや設定変更の反映が速く、ソフトウェアとの連携も途切れにくい印象でした。ALSEYE A-100LRはシンプルで直感的な操作性を持つ一方で、細かなプロファイル管理というよりは「その場でさっと調整する」方向に振られた製品という印象です。体感としては、AC-CRFR1-B1は一度設定を決めてしまえば長時間安定して動作し、ファンの回転数やライティングの変化が自然に馴染むため、PC全体の一体感が増します。

自分の環境で最初に組み込んだときも、AC-CRFR1-B1はポート数に余裕があるおかげで、「このケーブルどこに挿そう…」と悩む時間がほとんどありませんでした。とりあえずすべてのファンとRGBをハブ側に集約してから、後で配線を整える、という雑なやり方でも最終的にはちゃんときれいにまとまる感じです。一方でA-100LRは物理的なポート数こそ多いものの、パネルに向かってケーブルが集中しやすく、裏配線スペースに余裕がないケースだと「ちょっとゴチャつくな」と感じる場面もありました。

RGBの発色に関しても違いがあり、AC-CRFR1-B1は色の切り替えがスムーズで、グラデーションの移り変わりが自然に見えます。AC-CRFR0-B1ではやや硬さを感じる場面があり、色の変化が段階的に見えてしまうことがありました。ALSEYE A-100LRは鮮やかさは十分ですが、発光パターンの自由度は限られており、長時間使っていると単調さを感じることもあります。実際に部屋の照明を落としてPCの光だけで過ごすと、AC-CRFR1-B1の柔らかなライティングは目に優しく、長時間眺めていても疲れにくいと感じました。いわゆる“ゲーミング感マシマシ”ではなく、落ち着いた演出に寄せたい人にはかなりちょうどいいバランスです。

ファン制御の精度も比較すると違いがはっきりします。AC-CRFR1-B1は低回転から高回転まで幅広く制御でき、静音性を重視したいときには極めて細かく調整可能です。AC-CRFR0-B1も十分に制御できますが、微妙な回転数の差を追い込みたいときには、やはり新モデルの方がカーブづくりの自由度が高いと感じます。ALSEYE A-100LRはパネル操作でシンプルに回転数を変えられますが、静音と冷却のバランスを時間帯や用途ごとに追い込みたいユーザーには、プリセットと手動の切り替えだけでは少し物足りないかもしれません。

実際に夏場の高負荷時に3機種を試したところ、AC-CRFR1-B1は冷却性能を維持しながらも耳障りなノイズを抑えられ、作業に集中できる環境を作り出してくれました。温度センサーとの連動で、CPUやGPU温度が一段落したタイミングできちんと回転数を落としてくれるので、「あ、ちゃんと温度を見て動いているな」と分かりやすい動きをしてくれます。正直、一度この挙動に慣れてしまうと、単純な電圧制御だけのハブには戻りたくなくなります。

ソフトウェアの使い勝手も体感差を生む要素です。AC-CRFR1-B1はNZXT CAMとの統合がスムーズで、設定画面の切り替えやプロファイルの保存が直感的に行えます。AC-CRFR0-B1も同じソフトに対応していますが、操作のレスポンスや安定性では新モデルの方が一歩先を行っている印象です。ALSEYE A-100LRはPC側の専用ソフトを使わず、本体パネルとLCD表示だけで完結するスタイルなので、ソフトウェアを常駐させたくない人には向いています。その代わり、時間帯ごとの自動切り替えやアプリケーション連動といった高度な遊び方は難しく、「機械側に任せる」スタイルを好む人ほどNZXT勢との違いを実感するはずです。

自分の使い方だと、動画編集用とゲーム用でプロファイルを切り替えることが多いのですが、AC-CRFR1-B1はその切り替えが本当にスムーズです。編集モードではファンを控えめに、ゲームモードではGPU温度優先でがっつり回す、という設定を一度作ってしまえば、後はワンクリックで空気の流れが「編集用」「ゲーム用」に切り替わります。こういう日常的な切り替え作業がストレスなく回ると、ハブに投資した意味を強く感じます。

取り付けや設置のしやすさも比較すると差が見えます。AC-CRFR1-B1はマグネット+両面テープでケース内の好きな場所に固定でき、ケーブルマネジメントを意識したレイアウトがしやすくなっています。AC-CRFR0-B1も同様に扱いやすいのですが、細部の作り込みや付属ケーブルの取り回しでは新モデルの方が一段洗練された印象です。ALSEYE A-100LRはコンパクトで設置自体は容易ですが、ケーブルの取り回しに工夫が必要で、見た目を整えるには少し手間がかかります。

実際、裏配線スペースの少ないミドルタワーケースに組んだとき、AC-CRFR1-B1はマグネットで一時固定しながらケーブル経路を調整できたので、「とりあえずここに置いておいて、配線が決まったら場所を微調整」といった柔軟な作業がしやすかったです。A-100LRは両面テープ固定が基本なので、一度貼ってしまうと位置替えのハードルが高く、「ここじゃなかったかも…」となったときのストレスはやや大きめでした。

長時間使用した際の安定性も重要なポイントです。AC-CRFR1-B1は高負荷環境でも安定して動作し、ファンやRGBの挙動が乱れることがありませんでした。AC-CRFR0-B1は基本的に安定していますが、まれに設定が反映されるまでにワンテンポだけ遅れることがあります。ALSEYE A-100LRは軽負荷では問題ないものの、複数ファンを同時に高回転で回していると、操作から反映までのタイムラグをわずかに感じる場面もあり、結果として体感的に一歩劣る印象です。

自分の環境では、動画編集やゲームプレイ中に長時間稼働させても、AC-CRFR1-B1は一度も不安定さを感じさせず、安心して使い続けられました。特に真夏の夜にエアコン弱めでPCを回しっぱなしにしたとき、ファンカーブをしっかり作っておいたおかげで温度が暴れることもなく、耳障りな急加速・急減速も発生せず、「あ、ちゃんと設計通りに空気が動いているな」と実感できたのは好印象でした。

総合的に見て、AC-CRFR1-B1はスペック上の進化だけでなく、実際の使用感においても明確な差を感じられる製品です。RGBの自然な発色、ファン制御の精密さ、ソフトウェアの快適さ、設置の容易さ、そして長時間使用時の安定性まで、すべてが一段上の体験を提供してくれます。AC-CRFR0-B1は十分に実用的であり、ALSEYE A-100LRはシンプルさや物理UIの即応性を好む人には向いていますが、細部までこだわりたいユーザーにとってはAC-CRFR1-B1の完成度がより魅力的に映ります。

実際に使ってみて、単なるスペック表の比較では語り尽くせない体感的な違いがありました。静音志向で「できるだけPCの存在感を消したい」自分のようなユーザーにとって、AC-CRFR1-B1はファンと光の両方を意図した通りにコントロールしやすい相棒という印象です。逆に、PCをインテリアの一部として見せたい人や、物理ボタンをさっと触って調整したい人には、A-100LRのダイレクトな操作感も悪くありません。このあたりは、どこまで自動化・ソフトウェア化したいかで選び分けるのが良さそうです。

まとめ

総合評価1位はNZXT Control Hub AC-CRFR1-B1(9.5/10)。統合された設計思想とCAMの直感的な制御が心地よく、組んだ瞬間から「配線と挙動がひとつに揃う」安堵があります。実機でRGBのレイヤーとファンカーブを練ると、発光のリズムと気流の手応えが同調し、負荷が抜けるときのゼロRPM移行まで自然で、静けさが部屋に戻ってくる感じが好きです。ケーブルをまとめ終わったあとケースサイドを閉めた瞬間、「あ、これはしばらく触らなくて済みそうだな」と思えたのはAC-CRFR1-B1だけでした。

2位はNZXT RGB & Fan Controller AC-CRFR0-B1(8.5/10)。最新の統合端子ではないものの、既存のファンやLEDを素直に束ねられ、CAMとの連携もわかりやすい一台です。古い配線資産を活かしながら整える“過渡期のハブ”としての信頼感があり、「今あるパーツをできるだけそのまま使いたい」という人にはちょうどいい落としどころと言えます。将来的にAC-CRFR1-B1へアップグレードするにしても、導入の入り口としては非常に扱いやすい印象でした。

3位はALSEYE A-100LR(7.5/10)。タッチ操作で即座に反応し、LCDで状態を見守れる体験は独特の安心感があります。PCソフトを入れずに完結させたい人にとっては、「ケース前面をちょっと触ればすぐ調整できる」という物理UIの強みがはっきり感じられます。ただし配線の美しさは自分の工夫次第で、丁寧さが問われる点と、自動プロファイルやアプリ連動のような機能は期待できないので、そのあたりを割り切れる人向けです。

ベストチョイスはAC-CRFR1-B1。発光と冷却を同時に「意図通り」に整えたい人に最も応える一台です。総評として、環境を長く育てるならAC-CRFR1-B1、既存パーツ資産を活かしながら段階的に整えたいならAC-CRFR0-B1、物理UIの即応性とシンプルさを重視するならA-100LRという住み分けが、実際に使ってみても納得感の高い落としどころだと感じました。

引用

https://nzxt.com/ja-JP/product/control-hub

https://support.nzxt.com/hc/ja/articles/360044718514-RGB%E3%81%A8%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E4%BB%98%E3%81%91%E3%82%8B

https://www.alseyecooler.com/

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