エレコム DH-CW4K110BKの使い勝手検証


目次

比較概要

今回は、エレコム DH-CW4K110BK、j5 create ScreenCast 4KワイヤレスHDMI送受信機 JVAW75、プリンストン ワイヤレスHDMI to HDMI EZCASTPOCKET-H1R1の3機種を比較します。会議やプレゼン、教室での投影、家庭内のサブディスプレイ運用など、「ケーブルを引き回したくない場面」でどれが一番ラクに、安心して使えるかという一点に絞って検証しました。

DH-CW4K110BKは、送信機と受信機のセットで、USB Type-Cからの映像・音声をHDMI側へワイヤレス伝送できる構成が特徴です。パソコンやスマホのUSB Type-Cポートに送信機を挿すだけで、アプリ不要・ドライバー不要でワンタッチ接続できるので、初見の会議室でも戸惑いが少なく、ペアリングと画面のON/OFFを手元で完結させられる操作性が光ります。最大伝送距離は見通し環境で30m。障害物が少ない空間ほど安定度が高まりやすく、教室や会議室といった典型的なシーンにフィットします。解像度はフルHD運用に最適化され、60Hzでの表示に対応。HDRやCECなどの拡張機能は割り切って非対応ですが、HDCP 1.4に対応しており、条件を満たせば有料コンテンツも含めたコンテンツ伝送が可能です。

対してJVAW75は4K表示まで視野に入る設計で、静止画やUIチェックなど「細かいところまで見せたい」用途を意識した機種。HDMI接続が前提の機器が多い現場で威力を発揮します。EZCASTPOCKET-H1R1はHDMI to HDMIのシンプル構成で、持ち運びやすさと接続の分かりやすさに強みがあります。ネットワーク設定も専用アプリも不要で、貸し会議室やバックヤードのような環境でも迷わず立ち上げられます。

最終的なポイントは、どの機器の出力端子を基点にするか(USB Type-CかHDMIか)、現場の「すぐ映したい」ニーズにどこまで応えられるか、そして遅延や安定度が運用上許容できるかどうか。この記事では、セッティングの速さ、運用時の安心感、画質・滑らかさのバランスを重視し、実際に会議や講義で使ったときの“使えるかどうか”という視点で掘り下げていきます。

比較表

機種名 エレコム DH-CW4K110BK j5 create ScreenCast 4KワイヤレスHDMI送受信機 JVAW75 プリンストン ワイヤレスHDMI to HDMI EZCASTPOCKET-H1R1
画像
最大表示解像度 1920×1080 3840×2160 1920×1080
最大フレームレート 1080p60 4K30 / 1080p60 1080p60
4K対応 非対応 対応 非対応
FullHD対応 対応 対応 対応
伝送距離(最大) 30m 30m 約10m
接続方式 1対1ワイヤレスHDMI 1対1ワイヤレスHDMI 1対1ワイヤレスHDMI
セット構成 送信機(TX)+受信機(RX) 送信機(TX)+受信機(RX) 送信機(TX)+受信機(RX)
送信機入力端子 USB Type-C HDMI HDMI
受信機出力端子 HDMI HDMI HDMI
HDCP対応バージョン 1.4 1.4 1.4
有料コンテンツ伝送対応 対応(HDCP 1.4) 対応(HDCP 1.4) 対応(HDCP 1.4)
アプリ不要 不要 不要 不要
ネットワーク不要 不要 不要 不要
送信停止ボタン搭載 搭載 搭載(RX側) 搭載
同時接続数 1対1 1対1 1対1
発売年 2025年 2023年 2023年
モデル型番 DH-CW4K110BK JVAW75 EZCASTPOCKET-H1R1
入力端子数(送信機) 1 1 1
出力端子数(受信機) 1 1 1
対応映像機器種別 USB Type-C搭載端末(PC/スマートフォン/タブレット) HDMI出力機器(PC/ノートPC/ゲーム機) HDMI出力機器(PC/タブレット等)

比較詳細

エレコム DH-CW4K110BK:会議・講義で「止まらない」ことを優先

エレコム DH-CW4K110BKは、USB Type-C搭載のPCやタブレット、スマホの映像・音声をHDMI入力のディスプレイやプロジェクターへワイヤレスで飛ばす、1対1構成の送受信機セットです。DisplayPort Alt Mode対応のUSB Type-Cポートからの映像を、そのままHDMI側へ伝送するイメージで、アプリやドライバーを必要とせず、接続してペアリングすればすぐに映せる手軽さがあります。HDCP 1.4対応のため、対応機器同士であれば著作権保護された映像もミラー可能で、ビジネスシーンでも安心して使える仕様です。

最大解像度はフルHD(1920×1080)で、60Hzまで扱える点が実使用で効いてきます。資料スクロールやプレゼンのアニメーションでコマ落ち感が少なく、マウスカーソルの動きも自然。自分の環境だと、PowerPointのアニメーションやブラウザベースのデモを投影しても「もたつき」が気にならず、発表者側のテンポをそのまま観客に伝えやすいと感じました。HDRやCEC、ARC、HECは非対応という割り切りがあり、ホームシアター的な連携ではなく、映像伝送にフォーカスした設計だと理解すると、本来の適材適所が見えてきます。

送信側にはペアリング兼ねた画面オン・オフの物理ボタンが用意され、うっかり映したくない瞬間に即座に遮断できる安心感があります。実際に教室と会議室で切り替えながら使っていると、「参加者に見せたくない通知が出てしまったけど、ボタン一発で消せる」という場面が何度かありました。USB Type-Cからの給電込みで接続手順が短く、ケーブル本数も少なく済むので、準備の慌ただしさが減るのも嬉しいポイントです。フルHDの映像は文字のにじみが出づらく、見通しが良ければ30m程度の到達距離の範囲で操作レスポンスも十分。スライド送りやブラウザ操作で、クリックから反映までの遅延は軽めに感じられ、実際の会議では「ワイヤレスであること」を意識しないレベルでした。

動画視聴では、スポーツのような速い動きだと微細な圧縮感やフレーム追従の差を感じる場面もありますが、学習用の講義動画やプロモーション映像レベルなら視聴者の集中を損なわない出来。自宅で試したときも、ストリーミングの映画をソファから眺める分には、遅延よりも「ケーブルが床に這っていない快適さ」の方が印象に残りました。総じて、セットアップの速さ・安定・60Hzの滑らかさのバランスが強みで、現場での信頼がじわじわ積み上がるタイプの製品という印象です。

j5 create ScreenCast JVAW75:4Kで細部を見せたい場面向け

j5 create ScreenCast JVAW75は、4K30Hzと2K/1080p60Hzの両立を狙った万能型のワイヤレスHDMI送受信機です。最大3840×2160/30Hzに対応しているため、静止画や写真を多用するデザインレビュー、建築図面の拡大表示、UIの高精細チェックといった「解像度がそのまま説得力になる」場面に向きます。4Kで投写したときの細線のキレはやはり魅力で、パン・ズーム時に細部のエッジが崩れにくく、印刷物の再現性チェックなどにも使いやすいです。

一方で、4K時はリフレッシュレートが30Hzになる分、カーソル移動やスライド切り替えに独特の粘りが出ます。初めて使うと「ちょっと重いかな?」と感じる人もいるはずで、プレゼンのテンポを重視する場合は2K/1080p60Hzに落として使う運用が現実的です。解像感を少し抑える代わりに操作感の滑らかさを取り戻すイメージで、打ち合わせの内容に合わせてモードを切り替えるとバランスが取りやすくなります。到達距離は30mクラスで、見通し環境ではおおむね安定。電波混雑が激しいフロアだと、チャンネル切り替え後に数秒の再確立が入ることもあるので、開始前に一度接続を通しておくと安心です。

接続面ではHDMI送信を基本としながら、USB給電を柔軟に取れる構成で、ノートPCやディスプレイのUSBポートからスマートに電源を確保できます。映像の発色はフラットで癖が少なく、4K静止画の色面も破綻しにくい印象。動画はシネマや解説系なら問題なく楽しめる品質で、アクションゲームのような応答性前提のコンテンツは4K30よりもフルHD60を選んだほうが快適です。実際、ゲーム機を繋いで試したときも、「画質優先」と「操作感優先」でモードを切り替えるだけで、かなり印象が変わりました。

プリンストン EZCASTPOCKET-H1R1:HDMI機器の無線化に特化

プリンストン EZCASTPOCKET-H1R1は、HDMI to HDMIのワイヤレス伝送に特化したセットです。送受信機ともにHDMI接続・外部電源が必要というシンプルな構成で、PC・レコーダー・ゲーム機など、HDMI出力が前提の機器をそのまま無線化できます。ネットワークや専用アプリに依存せず、挿して電源を確保すればリンクできる「即応性」がわかりやすい魅力で、店舗や会議室に設置しておく常設機材としても扱いやすいモデルです。

対応解像度はフルHDまでなので、フォントのエッジやアイコン形状は十分に視認可能な解像度帯。わかりやすいメリットは、デスクトップPCやゲーム機などHDMI固定の出力機器を距離や配線の制約から解放できることです。たとえば棚上のレコーダーやラックマウントPCの映像を離れたテレビに飛ばす、カウンター内のPC画面を壁面ディスプレイに出す、といった日常的な使いみちで威力を発揮します。

実際に試した際も、接続準備の段取りが少ないことによる「気軽さ」が印象的でした。両端に電源が必要な分だけコンセントの確保は必要ですが、現場で「どのWi-Fiに繋ぐ?」「OS側の設定は?」といった迷いが生まれないので、貸し会議室や店舗バックヤードでも立ち上がりがスムーズです。遅延は軽作業の範囲なら違和感は小さく、映画やドラマ視聴も成立します。ただし、素早い視点移動が続くゲームでは入力から表示までの引っかかりを感じる場面があり、競技性が高いタイトルでは有線の方が理想的です。

三機種をどう使い分けるか

三者を並べたときの体感差は、目的をはっきりさせると見えてきます。流れる動きの滑らかさ重視なら、フルHD60Hzが使えるDH-CW4K110BKの快適さがわかりやすく、操作と表示の同期感が良いぶんプレゼンの「間」が取りやすくなります。細部描写や静止画の解像感を優先するなら、JVAW75の4Kが効いてきます。写真のノイズ判別やUIピクセルの詰めで評価の精度が一段上がるので、プロダクトレビューやクリエイティブ確認に適しています。HDMI機器の取り回し改善という目的なら、EZCASTPOCKET-H1R1の潔い構成が使いやすく、据え置き系の機材運用が短時間で整います。

個人的には、会議・講義・デモ中心の現場ではDH-CW4K110BKの「思考と操作が途切れない」滑らかさが成果に繋がりやすく、評価作業や展示での静止画訴求ではJVAW75の解像度メリットが説得力になります。家庭や店舗での配線簡素化にはEZCASTPOCKET-H1R1が最適解で、設置の自由度が上がるだけで日々のストレスがかなり軽くなりました。いずれも30mクラスの伝送を想定した使い方では、遮蔽物や混雑環境で再接続の間が生じる局面がゼロではないものの、見通しのある配置と給電の安定化で回避可能です。受信機をディスプレイ背面で電源とまとめ、送信側のケーブルにテンションをかけないよう固定しておくだけでも、日常的な切断は目に見えて減ります。

まとめ

総評として、エレコム DH-CW4K110BKは4.5点で首位。Type-C送信機を挿すだけで即ミラーリングでき、アプリ不要・設定不要の設計は現場での強みです。実際の検証でも、1080p/60Hzの資料や動画が途切れず、ワンタッチで画面をオン・オフできる安心感が群を抜いていました。HDCP 1.4対応で有料コンテンツも扱え、最大30m級の到達とシンプルな配線で、会議室や教室の運用を滑らかにしてくれる「止めない道具」という位置づけです。

次点のj5 create JVAW75は4.3点。4K/30Hz対応の高精細表示は、映像系プレゼンやホームAV、UIレビューで生きてきます。2.4/5GHz併用・最大30mの伝送、USB給電のスマートさも魅力で、HDCP対応により配信映像のミラーリングにも強いです。4KとフルHD60Hzを切り替えながら、ホームシアターと仕事用プレゼンを一本で兼用したいユーザーに向いた「万能寄りの一台」と言えます。

三位のプリンストン EZCASTPOCKET-H1R1は4.0点。OS非依存・ネットワーク不要で1080p/60Hzまでの確実運用に絞り、HDMI to HDMIのシンプルさが導入ハードルを大きく下げています。両端電源が必要なぶん設置のひと手間は増えますが、一度配線を組んでしまえば「設定ゼロですぐ映る」即応性は実務で非常に強力でした。会議や売場で機器を頻繁に入れ替える環境でも、トラブルシューティングに時間を取られにくいのが利点です。

ベストチョイスをまとめると、「止まらない会議」を最優先するならDH-CW4K110BK。映像の緻密さを重視し、家庭と仕事を一本で兼用したいならJVAW75。既存のHDMI機器を手早く無線化して配線を片付けたい現場にはEZCASTPOCKET-H1R1が手堅い選択になります。スペック表だけでは伝わりにくい違いが、実際の使用でははっきりと体感差として表れます。自分が何を優先したいのか――滑らかさ、精細感、取り回し――を決めて選べば、導入後の満足度は確実に上がるはずです。朝の準備で接続の悩みが消え、映したい瞬間に迷いなく映せる。その小さな積み重ねが、仕事や学びの質を静かに底上げしてくれます。

引用

https://www.elecom.co.jp/products/DH-CW4K110BK.html

https://jp.j5create.com/products/jvaw75

https://www.princeton.co.jp/product/multimedia/ezcastpocketh1r1.html


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